▼水野 郷右衛門 重敬(みずの しげかた)

 

・・・出生
 〜明治19年4月27日没。
 庄内藩士。
 水野勘解由の支流、郷右衛門家の九代目
・・・戊辰戦争以前〜戊辰戦争
 酒井玄蕃了恒の二番大隊小隊長として秋田戦線に参加。
 帰国後は武勲を賞されて五十石加増の三百石となる。

 藤原相之助の「仙台戊辰史」では8月25日の一番大隊での協議で帰国を主張する郷右衛門に対し、周囲は「臆病者の意見」と排斥し、その為郷右衛門は9月1日遺書を認め大曲役安藤清右衛門宅の後方にて切腹し、自らの死を惜しむにあらざる事を証明したと掲載しており、其の後の徳富蘇峰の国民史にも事実の事として記載されているが、郷右衛門は自刃しておらず、郷右衛門は其の後も無事凱旋し明治19年迄生存している。
・・・戊辰戦争後

 明治3年、政府の命で常備隊を除いて解兵した際も、水野隊は常備隊として残り、同5年からの松ヶ岡開墾の隊長ともなった。

 明治19年4月27日没。鶴岡光明寺に葬る。

 




参考書籍:
『庄内人名辞典』庄内人名辞典刊行会
『秋田・庄内戊辰戦争』新人物往来社
『冬青』 冬青社 坂本守正編集
『異形の人〜厚司判官松本十郎伝』井黒弥太郎著
『七星旗の征くところ〜庄内藩戊辰の役』坂本守正著